HPが0になったら何が起きる?——死亡セーヴ・容体安定化・即死・回復の完全整理
「HPが0になった。次に何をする?」——これはD&Dで最も緊張する瞬間であると同時に、複数のルールが続けて適用される場面でもあります。即死するのか、気絶するのか。死亡セーヴはいつ行うのか。容体が安定すると何が変わるのか。
この記事では、HPが0になってから意識を取り戻すまでの処理を時系列で整理します。SRD 5.1(2014年版)とSRD 5.2.1(2024年版)の原文を比較して確認しています。
先に結論
HPが0になったキャラクターは、残ったダメージが大きすぎれば即死します。即死しなければ気絶状態になり、HPが0のまま自分のターンを開始するたびに死亡セーヴを行います。成功3回で容体安定、失敗3回で死亡です。容体が安定してもHPは0のままで、HPを回復するまで気絶状態は続きます。
全体の流れ——1枚で把握する
| 段階 | 状態 | 何が起きるか |
|---|---|---|
| ① HPが0になる | — | 残ったダメージがHP最大値以上なら即死。それ以外は次へ |
| ② 気絶する | 気絶状態 | 無力状態と伏せ状態を併せて受け、周囲に気づかなくなる |
| ③ 死亡セーヴ | 気絶状態が継続 | HPが0のまま自分のターンを開始したら1d20。10以上で成功、9以下で失敗 |
| ④ 成功3回/失敗3回 | 分岐 | 成功3回で容体安定、失敗3回で死亡 |
| ⑤ 容体安定後 | HPは0のまま | 死亡セーヴは不要。治療されなければ1d4時間後にHPを1回復 |
| ⑥ 目覚める | 気絶状態が終了 | HPを1以上回復すると気絶状態が終わる。伏せ状態は残る |
以下、各段階を詳しく見ていきます。
① HPが0になった瞬間——即死か気絶か
ダメージでHPが0になり、さらにダメージが残っている場合、その残りが自分のHP最大値以上なら即死します。
例:HP最大値12、現在HP6のキャラクターが18ダメージを受けた場合、HPを0にした後も12ダメージが残ります。残り12はHP最大値と等しいため、そのキャラクターは即死します。
この条件に当てはまらなければ、気絶状態になります。
このほか、HP最大値そのものが0になったクリーチャーも即死します。また、モンスターは原則としてHPが0になった時点で死亡しますが、DMは個別のモンスターをキャラクターと同様に扱うこともできます。
② 気絶状態になる
即死しなかったキャラクターは気絶状態になります。気絶状態では無力状態と伏せ状態を併せて受け、移動速度が0になり、周囲の状況にも気づきません。
HPを1以上回復するまで気絶状態は続きます。この時点で死亡セーヴの対象になりますが、HPが0になった直後に死亡セーヴを行うわけではありません。
③ 自分のターン開始時に死亡セーヴ
HPが0のまま自分のターンを開始するたびに、死亡セーヴィング・スロー(死亡セーヴ)を1回行います。
- 1d20を振り、10以上で成功、9以下で失敗
- 1回の成功や失敗だけでは何も起きない
- 成功3回で容体安定、失敗3回で死亡
- 成功と失敗は連続している必要はない
- 成功数と失敗数は、HPを回復するか容体安定になった時点で両方とも0に戻る
死亡セーヴは能力値に対応しないため、通常は能力修正値を加えません。ただし死亡セーヴもセーヴィング・スローなので、セーヴ全般に適用される呪文や特徴のボーナスは、その効果の条件を満たせば適用できます。
④ 出目1と出目20の特殊処理
- 出目1:失敗を2回分受ける
- 出目20:HPを1回復する
出目20は「成功2回」ではなく、その場で実際のHPを1回復する処理です。これにより気絶状態が終わるため、ほかの制限がなければ、そのターンを通常どおり続けられます。
⑤ HPが0のときにダメージを受けたら
HPが0の状態でダメージを受けると、死亡セーヴの結果を待たず、次の処理が発生します。
- 通常のダメージ:死亡セーヴの失敗を1回受ける
- クリティカル・ヒットによるダメージ:失敗を2回受ける
- 受けたダメージがHP最大値以上:その時点で死亡する
気絶状態のクリーチャーに対する攻撃ロールは有利になります。さらに、攻撃者が5フィート以内にいる場合、命中した攻撃はクリティカル・ヒットになります。近接武器攻撃に限らず、この距離にいる攻撃者の攻撃ロールが命中すれば適用されます。
したがって、倒れたキャラクターの5フィート以内から攻撃が命中すると、通常は死亡セーヴの失敗が2回増えます。すでに失敗が1回あれば、その攻撃で死亡します。
⑥ 容体安定になる
死亡セーヴに3回成功すると、容体安定になります。また、別のクリーチャーが援護アクションを使い、DC 10の【判断力】〈医術〉判定に成功して容体を安定させることもできます。
容体安定になっても、HPは0のままで、気絶状態も続きます。変わるのは、死亡セーヴを行わなくなることです。
容体安定のまま治療を受けなければ、1d4時間後にHPを1回復します。ダメージを受けた場合は容体安定ではなくなり、同時に死亡セーヴの失敗も受けます。クリティカル・ヒットによるダメージなら失敗は2回です。
⑦ 目覚める——回復と一時的ヒット・ポイントの違い
HPが0になったことで受けた気絶状態は、HPを1以上回復した時点で終わります。キュア・ウーンズやヒーリング・ワードによる回復のほか、死亡セーヴで出目20を出した場合や、容体安定のまま1d4時間が経過した場合も該当します。
一時的ヒット・ポイントは実際のHPではありません。HPが0のクリーチャーが一時的ヒット・ポイントを得ても、HPは0のままで、気絶状態も終了しません。
また、気絶状態が終わっても伏せ状態は残ります。目覚めたキャラクターは、伏せ状態のルールに従って起き上がる必要があります。
2014年版との変更点
| 項目 | 2014年版(SRD 5.1) | 2024年版(SRD 5.2.1) |
|---|---|---|
| 死亡セーヴ | 1d20、10以上で成功。成功3回/失敗3回 | 同じ |
| 出目1/20 | 失敗2回/HPを1回復 | 同じ |
| HPが0のときのダメージ | 失敗1回、クリティカルなら2回 | 同じ |
| 大ダメージによる即死 | 残ったダメージがHP最大値以上 | 同じ |
| 容体安定化 | アクションを使って応急手当 | 援護アクションの用途として整理 |
| 容体安定後の回復 | 1d4時間後にHPを1回復 | 同じ |
| 近接攻撃によるノックアウト | HPを0にして気絶状態かつ容体安定にする | HPを1まで減らして気絶状態にし、小休憩を開始させる |
死亡セーヴや即死に関する数値は変わっていません。主な変更は、容体安定化が援護アクションの用途として整理されたことと、近接攻撃でクリーチャーを気絶させる処理が変わったことです。
2024年版のノックアウトでは、対象はHPが1のまま気絶状態になります。気絶状態が終わるのは、対象がHPを回復するか、誰かがアクションを使って応急手当を行い、DC 10の【判断力】〈医術〉判定に成功したときです。通常の「HPが0になって気絶した場合」とは、HPも解除条件も異なります。
卓でのよくある誤解
- 「容体安定=回復した」ではない:容体が安定してもHPは0のまま。死亡セーヴを行わなくなるだけで、気絶状態は続く
- 「HPが0になったら、すぐ死亡セーヴを振る」ではない:死亡セーヴを行うのは、HPが0のまま自分のターンを開始したとき
- 「出目20は成功2回」ではない:HPを1回復し、その場で気絶状態が終わる
- 「気絶した相手への攻撃はすべて自動命中」ではない:攻撃ロールは有利になるが、命中判定は必要
- 「5フィート以内なら近接攻撃だけが自動クリティカル」ではない:攻撃の種類ではなく、攻撃者と対象との距離で判定する
- 「ノックアウト」と「HPが0になって気絶」は同じではない:2024年版のノックアウトはHPが1のままで、死亡セーヴを行わない
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参考資料
- D&D Beyond Basic Rules (2024): Playing the Game — Dropping to 0 Hit Points
- D&D Beyond Basic Rules (2024): Rules Glossary — Knocking Out a Creature / Unconscious
- D&D Beyond Basic Rules (2014): Combat — Dropping to 0 Hit Points
※2014年版で既訳のある用語は、サイト内の2014年版用語集に従って日本語を主体に表記しています。2024年版で正式な日本語訳を確認できない固有名は、英語原文を基準にしています。