キュア・ウーンズとヒーリング・ワードの回復ダイスが倍増——呪文改訂ピックアップ #2
前回のカウンタースペルに続く「呪文改訂ピックアップ」第2回。今回は、パーティの生命線となる2つの回復呪文——キュア・ウーンズ(Cure Wounds)とヒーリング・ワード(Healing Word)です。
2024年版では、どちらも回復に使うダイスの数が2倍になりました。しかも基礎値だけでなく、上位スロットで唱えたときに増えるダイスも2倍です。
先に結論
キュア・ウーンズは1d8→2d8、ヒーリング・ワードは1d4→2d4——上位スロット1レベルごとの増加分もそれぞれ同じ倍率で増えています。ただし、加算する呪文発動能力修正値まで2倍になるわけではありません。
新旧比較表
キュア・ウーンズ(Cure Wounds)
| 項目 | 2014年版(SRD 5.1) | 2024年版(SRD 5.2.1) |
|---|---|---|
| 呪文系統 | 力術(Evocation) | 防御術(Abjuration) |
| 回復量 | 1d8+呪文発動能力修正値 | 2d8+呪文発動能力修正値 |
| 上位スロット | 1レベルごとに+1d8 | 1レベルごとに+2d8 |
| アンデッド/人造クリーチャー | 効果なし | 一律に除外する記述なし |
ヒーリング・ワード(Healing Word)
| 項目 | 2014年版(SRD 5.1) | 2024年版(SRD 5.2.1) |
|---|---|---|
| 呪文系統 | 力術(Evocation) | 防御術(Abjuration) |
| 回復量 | 1d4+呪文発動能力修正値 | 2d4+呪文発動能力修正値 |
| 上位スロット | 1レベルごとに+1d4 | 1レベルごとに+2d4 |
| アンデッド/人造クリーチャー | 効果なし | 一律に除外する記述なし |
何が変わった?
回復ダイスは基礎値も上位化も2倍
キュア・ウーンズは1d8から2d8へ、ヒーリング・ワードは1d4から2d4へ強化されました。さらに、上位スロットで唱えたときに増えるダイスも、それぞれ+1d8から+2d8、+1d4から+2d4へ増えています。
つまり、強化されたのは1レベルで唱えたときだけではありません。どのレベルのスロットで唱えても、2014年版より多くの回復ダイスを振れます。
ただし、呪文発動能力修正値は従来どおり1回だけ加えます。たとえば修正値が+3なら、1レベル版キュア・ウーンズの平均回復量は7.5から12へ、ヒーリング・ワードは5.5から8へ上がります。最終的な回復量全体が厳密に2倍になるわけではない点には注意してください。
アンデッドと人造クリーチャーも対象にできる
2014年版の両呪文には、アンデッドおよび人造クリーチャーには効果がないという制限がありました。2024年版では、その一文が削除されています。
したがって、2024年版の呪文本文に従う限り、クリーチャー種別がアンデッドまたは人造であるという理由だけで回復を拒まれることはありません。個別のデータや特徴に別の制限があれば、そちらが優先されます。
なお、この変更は「回復呪文がアンデッドにダメージを与える」という意味ではありません。アンデッドの敵を弱体化する変更ではなく、アンデッドや人造の味方も通常の対象にできるようになった変更です。
呪文系統は力術から防御術へ
両呪文の系統は、力術から防御術へ変わりました。呪文の回復処理そのものは系統名で決まるわけではないため、通常の使用時に追加の効果が生じるわけではありません。ただし、特定の呪文系統を参照するクラス特徴や特技などとの組み合わせは変わる可能性があります。
2024年版では、マス・キュア・ウーンズやプレイヤー・オヴ・ヒーリングなど、ほかの回復呪文も防御術に分類されています。
すべての回復呪文が同じ割合で強化されたわけではない
回復呪文全体に「ダイスをすべて2倍にする」という共通ルールが追加されたわけではありません。呪文ごとに変更内容が異なります。
- マス・キュア・ウーンズ:基礎値は3d8から5d8へ増加。上位スロット1レベルごとの増加は+1d8のまま
- マス・ヒーリング・ワード:基礎値は1d4から2d4へ増加。上位スロット1レベルごとの増加は+1d4のまま
キュア・ウーンズとヒーリング・ワードの特徴は、基礎値だけでなく、上位スロットによる増加分まで2倍になったことです。ほかの呪文にも強化はありますが、同じ計算式を一律には当てはめられません。
卓への影響
- キュア・ウーンズ:接触が必要でアクションも使いますが、そのぶん1回の回復量は大きく伸びました。倒れた仲間を起こすだけでなく、次の一撃に耐えられるだけのヒット・ポイントを戻しやすくなっています。
- ヒーリング・ワード:60フィート先へボーナス・アクションで使える利便性はそのままに、回復ダイスが増えました。アクションを攻撃や初級呪文などに使いながら、離れた仲間を回復できます。呪文を同じターンに組み合わせる場合は、1ターンに消費できる呪文スロットの制限にも注意が必要です。
- アンデッド/人造の味方:クリーチャー種別だけを理由に両呪文の対象外にはなりません。該当するPC、同行NPC、召喚・使役クリーチャーがいる卓では影響の大きい変更です。
- 新旧混在卓:2014年版と2024年版では数値も対象制限も異なります。どちらの版の呪文データを使うか、セッション前に決めておくと処理がぶれません。
まとめ
2024年版のキュア・ウーンズとヒーリング・ワードは、基礎の回復ダイスと上位スロットによる増加ダイスがともに2倍になりました。能力修正値を含む最終値が丸ごと2倍になるわけではありませんが、特に低レベル帯では明確な強化です。
加えて、アンデッド/人造クリーチャーを一律に除外する記述がなくなり、呪文系統も力術から防御術へ変更されました。数値だけでなく、対象と分類にも変更があることを押さえておきましょう。
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参考資料
※2014年版で既訳のある用語は、サイト内の2014年版用語集に従って日本語を主体に表記しています。2024年版で正式な日本語訳を確認できない固有名は、英語原文を基準にしています。