カウンタースペルはこう変わった——呪文改訂ピックアップ #1
2024年版D&D(5.5e)では多数の呪文が個別に見直されました。このシリーズでは影響の大きい呪文を1本ずつ、SRD 5.1/5.2.1の原文比較で解説します。第1回は、対呪文戦の主役——カウンタースペル。
新旧比較表
| 2014年版(SRD 5.1) | 2024年版(SRD 5.2.1) | |
|---|---|---|
| 判定 | 3レベル以下は自動成功。4レベル以上は術者が能力判定(DC10+呪文レベル) | 相手が【耐久力】セーヴ。失敗で不発 |
| 相手のスロット | 打ち消されても消費される | 打ち消されても消費されない |
| 上位スロット | 上位で唱えれば高レベル呪文も自動打ち消し | 上位化の項目なし(一律セーヴ) |
| 発動条件 | 「呪文を唱えるのが見える」 | 「音声・動作・物質要素を伴う詠唱が見える」 |
何が起きたのか——3つの弱体化と1つの救済
① 自動打ち消しの消滅。旧版は同レベル以下なら問答無用で消せました。新版は相手の【耐久力】セーヴ次第——【耐久力】の高い敵術者には通りにくくなっています。
② 「カウンター合戦」の抑制。旧版の高レベル帯は、互いのカウンタースペルをカウンタースペルで消し合う不毛なリアクション戦争が名物でした。確実性が下がったことで、リアクションを切る判断が重くなっています。
③ 要素なし詠唱には撃てない。発動条件が「音声・動作・物質要素を視認できる詠唱」に明文化されました。ソーサラーの呪文修正などで要素を隠した詠唱は、そもそもカウンターの対象外です。
④ 救済——スロットは戻ってくる。打ち消された側は呪文こそ不発になるものの、スロットを失いません。「打ち消されたら丸損」だった旧版に比べ、唱える側の心理的負担が軽くなりました。アクションは失われるので、テンポの損失はあります。
卓への影響
- PC側: 「とりあえずカウンター」が最適解ではなくなりました。敵の【耐久力】セーヴを見積もって撃つ、資源判断のある呪文に。
- DM側: ボス術者の見せ場呪文が確定で消されにくくなり、演出が守られます。逆にPCの切り札をDMが握り潰す事故も減少。
- 新旧混在卓: どちらの版のテキストを使うかを事前に決めておくのが無難です。挙動がまったく別物なので、その場の擦り合わせは事故のもと。
原文で読むなら
両版のSRDは無料公開されています。本サイトのSRDライセンスガイドに入手先と利用条件をまとめました。
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