1ターンに呪文は何回使える?——ボーナス・アクションとリアクションの新ルール【D&D 2024】
「ボーナス・アクションの呪文を唱えたあと、アクションでも呪文を唱えられる?」「自分のターンにファイアーボールを唱えたら、シールドやカウンタースペルは使えない?」——2024年版では、判断基準がひとつに整理されました。
見るべきなのは呪文を唱えた回数ではなく、そのターンに呪文スロットを何回消費するかです。
先に結論
1ターンに、呪文を唱えるために消費できる呪文スロットは1つだけです。
初級呪文はスロットを使わないため、この制限には数えません。したがって、使えるアクションやきっかけが揃っていれば、初級呪文どうしや、初級呪文とスロットを使う呪文を同じターンに唱えられます。
ただし、これは「1ラウンドに呪文1回」という規則ではありません。他のクリーチャーのターンになれば、シールドやカウンタースペルのためにスロットを消費できます。
基本ルールは「1ターンにスロット1つ」
2024年版の呪文発動ルールは、1ターンに、呪文を唱えるために消費できる呪文スロットは1つだけと定めています。
この一文を使うときは、次の3点を分けて考えます。
- 呪文を何回唱えるかではなく、呪文スロットを何回消費するかを数える
- 自分のターンだけでなく、各クリーチャーのそれぞれのターンで数え直す
- スロットの制限とは別に、アクション、ボーナス・アクション、リアクションといった行動の回数や発動条件も満たす
リアクション呪文も制限に含まれる
公式ルール本文は、魔法アクションとボーナス・アクションでスロットを使う組み合わせを一例として挙げています。例にリアクションが書かれていなくても、規則本体は発動時間を限定していないため、リアクションで唱える呪文にも適用されます。
公式のSage Advice Compendiumも、この点を明示しています。自分のターンにスロットを使ってファイアーボールを唱え、敵がカウンタースペルを唱えた場合、自分は同じターンにもう1つスロットを使ってカウンタースペルを返すことはできません。シールドなど、他のリアクション呪文でもスロットを使うなら同じ考え方です。
卓での最終判断
本記事は2024年版の公式ルールと公式裁定に沿って説明しています。一方、Sage Advice Compendium自身も、実際のプレイにおける最終的なルール判断はDMが行うとしています。使用する版や卓独自の裁定がある場合は、セッション前にDMと確認してください。
初級呪文はスロットを使わない
初級呪文は0レベルの呪文で、呪文スロットを消費せずに唱えます。そのため、初級呪文を唱えても「そのターンの1スロット」を使ったことにはなりません。
ただし、初級呪文を好きな回数だけ唱えられるわけではありません。たとえば、発動時間がアクションの初級呪文を2つ唱えるには、魔法アクションを2回行える特別な手段が必要です。ボーナス・アクションの初級呪文と、アクションの初級呪文なら、通常の行動枠に収まります。
スロットを使わずに唱える1レベル以上の呪文も数えない
特徴や魔法のアイテムによっては、1レベル以上の呪文を呪文スロットを消費せずに唱えられます。この場合も、スロット消費の回数には数えません。
つまり、正確な規則は「1ターンに初級呪文でない呪文は1回」ではありません。行動枠が許すなら、スロットを使わない1レベル以上の呪文と、スロットを使う呪文を同じターンに唱えられる場合もあります。
同じターンに唱えられる? ○×早見表
○は、表に書かれた順序で唱えるためのアクション、きっかけ、射程、構成要素などをすべて満たしているものとします。
| 同じターンに行う組み合わせ | 可否 | 成立に必要なスロット消費数 | 理由 |
|---|---|---|---|
| シャレイリ(ボーナス・アクションの初級呪文)+ファイアー・ボルト(アクションの初級呪文) | ○ | 0 | どちらも初級呪文で、行動枠も別 |
| シャレイリ+キュア・ウーンズ(アクション、1レベル) | ○ | 1 | 初級呪文はスロットを使わず、キュア・ウーンズだけが使う |
| ヒーリング・ワード(ボーナス・アクション、1レベル)+ファイアー・ボルト | ○ | 1 | スロットを使うのはヒーリング・ワードだけ |
| ヒーリング・ワード+キュア・ウーンズ | × | 2 | 同じターンに2つ目のスロットは消費できない |
| ファイアーボールのあと、自分のターン中にシールド | × | 2 | ファイアーボールで、そのターンのスロットをすでに消費している |
| ファイアーボールに対する敵の妨害を、同じターンにカウンタースペルで妨害 | × | 2 | 自分のターン中に2つ目のスロットを使うことになる |
| 初級呪文のあと、自分のターン中にシールド | ○ | 1 | 初級呪文はスロットを使わない。シールドのきっかけは必要 |
| 自分のターンにファイアーボール、その後の敵のターンにシールドまたはカウンタースペル | ○ | 各ターン1 | 敵のターンになれば、スロット消費回数を新しく数える |
| ファイアーボール+怒涛のアクション+追加の魔法アクションで呪文 | × | — | 2024年版の怒涛のアクションでは、追加アクションを魔法アクションに使えない |
表の○×を一言で判定するなら、いま誰のターンか、そのターンに呪文のためのスロットをもう使ったかを確認します。
シールドとカウンタースペルは「どのターンか」が重要
シールド(Shield)とカウンタースペル(Counterspell)は、どちらもリアクションで唱える1レベル以上の呪文です。どちらも通常は呪文スロットを使うため、同じターンにすでに別の呪文のためにスロットを消費していれば唱えられません。
自分のターンにシールドを使う場合
シールドのきっかけは、自分が攻撃ロールでヒットを受けるか、マジック・ミサイルの対象になることです。リアクションは自分のターン中にも使えます。
たとえば、ファイアーボールを唱えたあとで移動し、機会攻撃がヒットしたとします。シールドのきっかけ自体は起きていますが、ファイアーボールでそのターンのスロットをすでに消費しているため、そのシールドは唱えられません。
一方、先に唱えたのがファイアー・ボルトのような初級呪文なら、スロットはまだ消費していません。リアクションも残っていれば、シールドを唱えられます。
自分の呪文をカウンタースペルされた場合
自分のターンにファイアーボールを唱え、敵がリアクションでカウンタースペルを唱えたとします。2014年版でよく見られた「敵のカウンタースペルに、自分もカウンタースペルを返す」処理は、2024年版では通常できません。
自分はファイアーボールのために、すでにそのターンのスロットを消費しているからです。カウンタースペルを返すと2つ目のスロットを使うことになります。
敵のターンなら新しく数える
自分のターンにスロットを使っていても、次に敵のターンが始まれば別のターンです。その敵が呪文を唱えたならカウンタースペル、攻撃を当ててきたならシールドを、スロットを使って唱えられます。
ただし、リアクションは1回使うと、次の自分のターン開始時まで再使用できません。敵のターンにシールドを使ったあと、同じラウンド中に別の敵へカウンタースペルを使えないのは、スロット制限だけでなくリアクションが残っていないためです。
怒涛のアクションで呪文を2回唱えられる?
2024年版のファイターの特徴、怒涛のアクション(Action Surge)は、自分のターンに追加アクションを1回与えます。ただし、その追加アクションには魔法アクションを選べません。
したがって、怒涛のアクションで得た追加アクションを使い、ファイアーボールやファイアー・ボルトのような発動時間がアクションの呪文をもう1つ唱えることはできません。2つ目が初級呪文でスロットを使わない場合も同じです。
これはスロット制限とは別の規則です。
- スロットを使う呪文+スロットを使う呪文:1ターンのスロット制限に反する
- スロットを使う呪文+初級呪文:スロットは1つだけだが、怒涛のアクションの追加アクションを魔法アクションに使えない
- 呪文+攻撃アクション、早足アクション、離脱アクションなど:怒涛のアクションで得た追加アクションに選べる
2014年版では、怒涛のアクションで追加されたアクションにこの除外がなく、ボーナス・アクション呪文の制限に触れなければ、発動時間がアクションの呪文を2回唱えられました。2014年版からキャラクターを移行する場合は、特に見落としやすい変更です。
2014年版から何が変わった?
2014年版の一般ルールは、ボーナス・アクションで呪文を唱えたときに制限が発生する形でした。同じターンに唱えられる他の呪文は、発動時間がアクションの初級呪文だけでした。
2024年版は、ボーナス・アクションを使ったかどうかではなく、そのターンに呪文のために消費するスロットは1つまでという規則に変わっています。
| 場面 | 2014年版 | 2024年版 |
|---|---|---|
| ボーナス・アクションの初級呪文+アクションの1レベル以上の呪文 | × | ○ |
| ボーナス・アクションでスロットを使う呪文+アクションの初級呪文 | ○ | ○ |
| アクションでスロットを使う呪文+同じターンのリアクションでスロットを使う呪文 | ○ | × |
| 怒涛のアクションで発動時間がアクションの呪文をもう1つ唱える | ○ | × |
2024年版は覚えやすくなった一方で、リアクション呪文や怒涛のアクションを含む組み合わせは、2014年版より厳しくなっています。
よくある疑問
「1ターン」と「1ラウンド」は違いますか?
違います。1ラウンドの中で、各参加者がそれぞれのターンを行います。スロット消費はターンごとに数えるため、自分のターンに1つ、敵のターンにリアクションで1つを消費することは可能です。
ボーナス・アクションが残っていれば、どんな呪文でも唱えられますか?
いいえ。発動時間がボーナス・アクションと書かれた呪文だけを、ボーナス・アクションで唱えられます。アクションで唱える呪文を、空いているボーナス・アクションに移すことはできません。
初級呪文なら何回でも唱えられますか?
呪文スロットの制限には数えませんが、アクションなどの回数には従います。通常の自分のターンなら、アクションの初級呪文は魔法アクション1回ぶんです。
スロットを使わない1レベル以上の呪文はどうなりますか?
特徴やアイテムの説明が「呪文スロットを消費せずに唱える」としているなら、その発動は1ターンのスロット制限には数えません。別の呪文にスロットを1つ使う余地はありますが、必要なアクションや個別の使用制限は満たす必要があります。
呪文を待機した場合、スロットを数えるのはいつですか?
待機アクションを取り、その一環で呪文を唱えた時点です。そこでスロットを消費し、きっかけが起きるか、次の自分のターンが始まるまで精神集中で魔力を保持します。きっかけが起きたときは、リアクションでその魔力を解放するだけで、改めて唱えたり、別のスロットを消費したりはしません。
まとめ:呪文の回数ではなく、ターンごとのスロットを見る
2024年版で迷ったら、次の順番で確認します。
- いま誰のターンか
- そのターンに、呪文を唱えるためのスロットをすでに消費したか
- 使う呪文の発動時間に合うアクションやリアクションが残っているか
- リアクション呪文なら、そのきっかけが起きているか
覚える核は、1ターンにスロット1つです。初級呪文は数えず、ターンが変われば数え直します。怒涛のアクションだけは、追加アクションを魔法アクションに使えないという別の制限も忘れないようにしましょう。
関連記事
参考資料
- D&D Beyond Basic Rules (2024): Spells — Casting Time
- D&D Beyond Basic Rules (2024): Spell Descriptions — Shield / Counterspell
- D&D Beyond Basic Rules (2024): Character Classes — Fighter
- D&D Beyond Basic Rules (2024): Rules Glossary — Ready / Reaction
- D&D Beyond Basic Rules (2024): Playing the Game — The Order of Combat
- D&D Beyond: Sage Advice Compendium — Casting Time
- D&D Beyond Basic Rules (2014): Spellcasting — Casting Time
※2014年版で既訳のある用語は、サイト内の2014年版用語集に従って日本語を主体に表記しています。2024年版で正式な日本語訳を確認できない固有名は、英語原文を基準にしています。