『Ravenloft: The Horrors Within』——7つのサブクラスとDark Gifts

『Ravenloft: The Horrors Within』には、ホラー・キャンペーンの主人公を作るためのキャラクター選択肢が収録されています。7つのサブクラス、4種族、4背景、2つの起源特技に加え、利益と代償を併せ持つ9つのDark Giftsを使用できます。

先に結論

7つのサブクラスは、死者、影、恐怖、肉体変容を各クラスの役割へ組み込む選択肢です。ReanimatorとHollow Wardenは新規、残る5つは2014年版ルールの既刊に登場したサブクラスを2024年版向けに再設計しています。Dark Giftsは通常の強化だけではなく、キャラクターが恐ろしい力と代償を抱える物語を作るための特技です。

本書のルールはSRD 5.2.1には収録されていません。この記事では数値やルール本文を転載せず、公式紹介で公開されている範囲から、各選択肢のテーマと役割を整理します。正式な日本語名を確認できない固有の特徴名は、独自に訳さず英語で表記します。

基本情報

分類収録数内容
サブクラス7Reanimator、College of Spirits、墓場の領域、Hollow Warden、ファントム(Phantom)、Shadow Sorcery、Undead Patron
種族4Dhampir、Hexblood、Lupin、Reborn
背景4Haunted One、Investigator、Mist Wanderer、Spirit Medium
起源特技2Sharp Eye、Survivor
Dark Gifts9Dark Gift分類の特技

サブクラスだけを追加する章ではなく、種族、背景、特技を組み合わせて、キャラクターが怪異とどのような関係を持つのかを決める章です。

7つのサブクラス

クラスサブクラス新規/改訂主な役割
アーティフィサーReanimator新規Reanimator’s Companionを作り、改造しながら戦う
バードCollege of Spirits改訂死者の霊を呼び、支援・攻撃・妨害を使い分ける
クレリック墓場の領域(Grave Domain)改訂倒れた味方を救い、生死の境界を乱す敵へ対抗する
レンジャーHollow Warden新規恐ろしい姿へ変身し、恐怖と耐久力で前線を支える
ローグファントム(Phantom)改訂死者の知識と魂の欠片を技能や攻撃へ利用する
ソーサラーShadow Sorcery改訂闇を見通し、影を移動し、影の獣を使う
ウォーロックUndead Patron改訂不死の契約相手の姿と死霊の力を身にまとう

Reanimator

Reanimatorは、生物学、機械技術、死霊術を組み合わせるアーティフィサーです。死体の断片からReanimator’s Companionを組み上げ、戦場では相棒と連携して敵を妨害します。

特徴の中心は、相棒を強化する複数の改造選択肢です。大きさや攻撃力を増す、移動方法を変える、敵を恐怖状態にする、アーティフィサーの魔法を通す導管にするといった方向へ発展します。味方を回復しながら周囲の敵へ害を与える能力もあり、単なる従者型ではなく、相棒を軸に攻撃・妨害・救援を行う設計です。

College of Spirits

College of Spiritsのバードは、死者の霊を呼び、その物語から力を引き出します。バードの声援を与えるとき、霊の表から効果を決め、攻撃、回復、支援、魅了、恐怖などを使い分けます。

無作為性を楽しむことも、追加のリソースを使って必要な霊を選ぶこともできます。成長すると複数の結果から選べるようになり、予測不能な霊媒師から、状況に合う霊を呼べる熟練者へ変わっていきます。

墓場の領域

墓場の領域を選ぶクレリックは、死を自然な循環の一部と捉え、アンデッドや死の秩序を乱す存在に立ち向かいます。倒れた味方への治療を強める一方、傷ついた敵へ死の力を向ける役割も持ちます。

味方が受ける大きな一撃を軽減し、クリティカル・ヒットの被害を抑える能力もあります。攻撃だけを目的とする死霊術系クレリックではなく、戦闘不能になりかけた仲間を救い、生と死の境目を管理する守護者です。

Hollow Warden

Hollow Wardenは、荒野の奥深くに潜む古い恐怖と結びついたレンジャーです。Wrath of the Wildによって怪異的な姿へ変わり、防御力を高め、周囲の敵を恐怖状態へ追い込みます。

負傷時に自らを回復する力や、恐怖状態の敵への攻撃を強める特徴があり、前線で長く戦う構成です。自然の守り手というレンジャー像を残しながら、守る対象を明るい森ではなく、世界の暗く危険な場所へ移しています。

ファントム(Phantom)

ファントムのローグは、死者の知識と魂の欠片を利用します。休息のたびに必要な技能や道具への習熟を得たり、急所攻撃の力を別の敵へ伝えたりできます。

倒れた者の魂の一部を小物に宿し、情報や攻撃力へ変えるのも特徴です。成長すると霊体に近い姿で飛行し、物体を通り抜けられるようになります。技能役としての柔軟性と、複数の敵へ死霊の力を広げる攻撃面を持つサブクラスです。

Shadow Sorcery

Shadow Sorceryのソーサラーは、影界などの暗い次元と結びついた魔力を持ちます。暗闇を見通し、自分の魔法による暗闇の中でも行動できるため、光の乏しい場所を有利な戦場へ変えられます。

影から獣を呼んで敵の抵抗を妨げ、暗がりから別の暗がりへ移動し、最終的には影そのものに近い姿へ変化します。敵の視界と位置を制御しながら、魔法を通しやすい状況を作るソーサラーです。

Undead Patron

Undead Patronを選ぶウォーロックは、リッチ、ミイラ、幽霊、ヴァンパイアなど、死を超越した存在と契約します。Form of Dreadによって恐ろしい姿へ変わり、敵へ恐怖を与えながら戦います。

死霊ダメージへの対抗力を高め、死の淵から立ち上がる力を得て、最終的には飛行や物体通過などを伴う強力な形態へ発展します。契約相手の不死性を借り、自身も次第に生者から離れていく構成です。

4種族と4背景

4つの種族は、怪物と人間の境界に立つキャラクターを作るための選択肢です。

種族キャラクターの焦点
Dhampirヴァンパイアの性質と飢えを抱えながら生きる
Hexbloodハグや魔女的な力の影響を受け、変容の兆しを持つ
Lupin狼に似た特徴と鋭い感覚を備えた新しい種族
Reborn一度死んだ、または作り直された後、不完全な記憶とともに戻った存在

背景は、キャラクターが怪異に関わるようになった入口を示します。

背景想定される人物像
Haunted One恐ろしい事件を生き延び、その記憶や痕跡を抱える
Investigator怪事件の証拠を追い、隠された真相を明らかにする
Mist Wanderer霧と戦慄界の間を旅してきた人物
Spirit Medium霊や死者の声を受け取り、伝える人物

Haunted OneとInvestigatorは既存の背景を2024年版の出自ルールへ合わせて再設計したものです。Mist WandererとSpirit Mediumは、レイヴンロフトの霧や死者との関係をキャラクター作成時から明確にできます。

2つの起源特技と9つのDark Gifts

起源特技はSharp EyeとSurvivorの2つです。Sharp Eyeは証拠や危険を見逃さない人物、Survivorは恐ろしい状況を生き延びてきた人物という背景を支えます。

Dark Giftsは、通常の特技とは別の物語的な位置づけを持ちます。DMの許可があれば、起源特技を得る機会にDark Giftを選択できます。またDMが、暗黒卿、暗黒の諸力(Dark Powers)、その他の邪悪な存在との取引や、冒険中の出来事の結果として与えることもできます。

9つのDark Giftsは次のとおりです。

公式紹介では、Aberrant Anatomy、Living Shadow、Touch of Deathの3つが例として公開されています。Aberrant Anatomyは異質な力による肉体変容、Living Shadowは自らの意志を持つ影、Touch of Deathは死の世界から持ち帰った力を表します。いずれも役立つ能力と、それが制御を離れたときの不利益や危険を併せ持ちます。

キャラクター作成で決めたいこと

これらの選択肢を使うときは、能力の組み合わせだけでなく、次の点を先に決めておくと人物像がまとまります。

  1. 怪異の力を自分から求めたのか、望まずに得たのか
  2. 力の源は戦慄界、暗黒卿、暗黒の諸力、それ以外の存在のどれか
  3. 力を隠しているのか、仲間へ打ち明けているのか
  4. 代償を取り除きたいのか、さらに受け入れたいのか
  5. その怪異をキャンペーンでどこまで描写してよいか

特にDark Giftsは、肉体変容、人格への干渉、死などを扱います。公式紹介でも、セッション0などを通じて、参加者が扱いたい内容、避けたい内容、継続的な変化をキャラクターへ与えてよいかを確認するよう勧めています。

どの選択肢を使うか

作りたい人物向いている選択肢
怪物を作り、相棒として戦いたいReanimator
霊の力で仲間を支援したいCollege of Spirits、Spirit Medium
倒れた仲間を守りたい墓場の領域、Survivor
自身が怪物へ変わる前衛を作りたいHollow Warden、Dark Gifts
死者の記憶や魂を利用したいファントム、Reborn
闇と位置取りを支配したいShadow Sorcery
不死の力と契約したいUndead Patron、Dhampir
怪事件を調査したいInvestigator、Sharp Eye

これらはレイヴンロフト専用の雰囲気を持ちますが、DMが許可すれば、別の世界のホラー・キャンペーンにも取り入れられます。力の由来を舞台設定へ合わせることが、選択肢を自然に使うための要点です。

参考資料

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