『Eberron: Forge of the Artificer』——バスチオン、3つのキャンペーン枠、エレメンタル飛空船
『Eberron: Forge of the Artificer』の第3〜7章は、DMがエベロン・キャンペーンを組み立てるための資料です。2024年版のバスチオンをエベロン向けに拡張し、シャーンの捜査劇、ドラゴンマーク氏族の陰謀、モルグレイヴ大学の探検という3つのキャンペーンの枠組みを提示します。最後に、エレメンタル飛空船の運用を独立した章で扱います。
先に結論
後半の中心は、第3章のバスチオン、第4〜6章のキャンペーン枠、第7章のエレメンタル飛空船です。移動する拠点、ジャンル別のキャンペーン設計、空の旅と戦闘を一冊の中でつなげられます。
本書の内容はSRD 5.2.1には収録されていません。この記事では、公式目次と商品紹介で確認できる範囲から収録内容と使いどころを整理します。正式な日本語名を確認できない施設名や章題は、英語のまま表記します。
DM向けの5章
| 章 | 内容 |
|---|---|
| 第3章 Bastions in Khorvaire | 移動式バスチオン、特殊施設10種 |
| 第4章 Sharn Inquisitives | シャーンの調査員、対立、街区、短い冒険 |
| 第5章 Dragonmarked Intrigue | ドラゴンマーク氏族の人物、対立、組織、冒険案 |
| 第6章 Morgrave Expeditions | モルグレイヴ大学、危険な目的地、探検用の冒険 |
| 第7章 Elemental Airships | 飛空船の操縦、戦闘、船体、改造、空の旅 |
これらに加え、ホラー、ハイ・ファンタジー、強奪劇など、さまざまなジャンルに合わせた新モンスターが20体以上収録されています。
移動式バスチオンと10の特殊施設
第3章は、2024年版『ダンジョン・マスターズ・ガイド』のバスチオン・ルールを前提に、エベロン向けの移動式バスチオンと特殊施設を追加します。拠点を固定した建物だけでなく、乗り物と結びついた移動拠点として扱えるのが大きな特徴です。
公式目次にある特殊施設は次の10種です。
| 特殊施設 | 主題 |
|---|---|
| Artificer’s Forge | アーティフィサーと魔法のアイテム作成 |
| Construct Forge | 人造クリーチャーの製造・運用 |
| Dragonmark Outpost | ドラゴンマーク氏族との関係 |
| Inquisitive Agency | 調査と情報収集 |
| Kundarak Vault | クンダラク氏族と保管庫 |
| Lyrandar Helm | リランダー氏族の移動手段 |
| Manifest Zone | 顕現地帯と次元界の力 |
| Museum | 収集品の展示と研究 |
| Navigator’s Helm | 移動式バスチオンの航行 |
| Orien Helm | オリエン氏族の移動手段 |
施設名だけで効果を推測すると、前提条件や利用できる命令を誤りやすくなります。各施設の詳しいルールは書籍本文で確認してください。
3つのキャンペーンの枠組み
3つの枠組みは、第4〜6章に1章ずつ収録されています。それぞれ扱うジャンルと、キャンペーンを動かす組織が異なります。
| 枠組み | ジャンルと焦点 |
|---|---|
| Sharn Inquisitives | 塔の街シャーンを舞台にした調査・犯罪・ノワール。調査員向けの人物作成、対立勢力、街区、冒険を扱う |
| Dragonmarked Intrigue | ドラゴンマーク氏族の独占事業、政治、競争、陰謀。氏族員と対立関係、13氏族、冒険案を扱う |
| Morgrave Expeditions | モルグレイヴ大学を起点とする発掘と探検。大学、危険な目的地、遺跡をめぐるパルプ調の冒険を扱う |
「3つの完成済みキャンペーン」が収録されているわけではありません。各章は、登場人物の立場、対立、場所、短い冒険や展開例を組み合わせ、DMがキャンペーンを設計するための枠組みです。
エレメンタル飛空船
第7章「Elemental Airships」は、エレメンタル飛空船の操縦、戦闘、改造、空の旅を扱います。公式目次には次の3種類の船体が掲載されています。
| 船体 | 位置づけ |
|---|---|
| Lyrandar Air Cruiser | コーヴェアを代表する大型のエレメンタル飛空船 |
| Lyrandar Skyskiff | 短距離移動や救助任務に使われる、小型で機動性の高い飛空船 |
| Strider Airship | 貨物輸送に向いた、速度と防御力を備える飛空船 |
船体を選ぶだけでなく、改造や空の旅まで一つの章にまとまっています。第3章の移動式バスチオンと組み合わせる運用を採用すれば、飛空船を一時的な乗り物ではなく、パーティーとともに成長する拠点として扱えます。
使い分けの目安
- 一つの都市で事件と人間関係を積み重ねるなら、Sharn Inquisitives
- 氏族の権益、産業、外交を長期的な対立軸にするなら、Dragonmarked Intrigue
- 各地の遺跡や未知の土地を巡るなら、Morgrave Expeditions
- 移動そのものを冒険にし、パーティー共通の拠点を育てるなら、バスチオンとElemental Airships
複数を組み合わせることもできます。たとえばシャーンで受けた依頼をきっかけに、氏族の陰謀を追って飛空船で遺跡へ向かう構成なら、本書の後半全体を一つのキャンペーンへつなげられます。