『Eberron: Forge of the Artificer』——アーティフィサー全面改訂と5つのサブクラス
アーティフィサー(魔法技師)は、魔法のアイテムを発明・複製しながら戦うクラスです。2024年版『プレイヤーズ・ハンドブック』には収録されておらず、『Eberron: Forge of the Artificer』で2024年版ルールに合わせた改訂版が登場しました。
先に結論
改訂の軸は、必要な道具をその場で作るTinker’s Magicと、魔法のアイテムの設計図を学ぶReplicate Magic Itemです。6レベルではMagic Item Tinkerを得て、複製した魔法のアイテムと呪文スロットを柔軟にやりくりできます。既存4サブクラスを改訂し、新しいCartographerを加えた全5種を収録しています。
本書の内容はSRD 5.2.1には収録されていません。この記事では、公式紹介記事が公開している範囲から変更点と遊び方の違いを要約します。既刊で日本語訳を確認できる用語は日本語を主体にし、正式な日本語名を確認できない新しい特徴名は、英語のまま表記します。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 収録書籍 | Eberron: Forge of the Artificer |
| 対応ルール | 2024年版D&D |
| クラス | アーティフィサー(全面改訂) |
| サブクラス | 5種(既存4種の改訂+新規1種) |
| 新呪文 | ホムンクルスのしもべ(Homunculus Servant) |
クラス全体の主な変更
| レベル | 特徴 | 主な変更 |
|---|---|---|
| 1 | 呪文発動(Spellcasting) | 大休憩を終えるたびに初級呪文1つを入れ替えられ、準備呪文数はクラス表で固定された |
| 1 | Tinker’s Magic | 旧「魔法の小発明」(Magical Tinkering)に代わる特徴。メンディングを得て、冒険用の一般装備を一時的に作れる |
| 2 | Replicate Magic Item | 旧「魔具化」(Infuse Item)を再設計。レベル帯に応じて魔法のアイテムの設計図を学び、大休憩後に複製する |
| 3 | アーティフィサー・サブクラス | Cartographerを追加し、既存4サブクラスを改訂 |
| 6 | Magic Item Tinker | 複製した魔法のアイテムのチャージ回復、解除、別アイテムへの入れ替えを扱う |
| 7 | 天才のひらめき(Flash of Genius) | クリーチャーが能力値判定またはセーヴィング・スローに失敗したときに使うことが明確になった |
| 10 | 魔法のアイテムの名匠(Magic Item Adept) | 同調可能数は4個のまま。作成時間・費用を減らす効果はTinker’s Magic側へ移動 |
| 11 | 呪文蓄積アイテム(Spell-Storing Item) | 保存できるアーティフィサー呪文が3レベルまでに拡張。消費される物質要素を持つ呪文は保存できない |
| 14 | Advanced Artifice | 同調可能数が5個になり、小休憩後に天才のひらめきの使用回数を1回ぶん回復する。同調条件を無視する旧効果は削除 |
| 19 | 偉業の証(Epic Boon) | 偉業の証特技、または条件を満たす別の特技を得る |
| 20 | 技術魔法の神髄(Soul of Artifice) | 複製したアンコモンまたはレアの魔法のアイテムを失い、0ヒット・ポイントになるのを回避する効果などへ再設計 |
全面改訂ではありますが、魔法のアイテムを工夫して状況に対応するというクラスの核は維持されています。旧版から移行する際は、個々の特徴名だけでなく、「魔具化」からReplicate Magic Itemへ仕組みが変わった点を優先して確認すると理解しやすくなります。
技術魔法の神髄は、Cheat DeathとMagical Guidanceという2つの効果を持ちます。Cheat Deathでは、0ヒット・ポイントになるとき、Replicate Magic Itemで作ったアンコモンまたはレアのアイテムを任意の数だけ消滅させ、ヒット・ポイントを消滅させたアイテム数×20にできます。Magical Guidanceでは、魔法のアイテムに1個以上同調していれば、小休憩後に天才のひらめきの使用回数をすべて回復します。
また、旧版では魔具化式だったホムンクルスのしもべ(Homunculus Servant)が、改訂版では新しい2レベル呪文として収録されています。同じ名称でも取得方法と処理が変わっているため、旧版から移行するときは注意が必要です。
6レベル特徴Magic Item Tinker
Magic Item Tinkerは、旧「道具習熟強化」(Tool Expertise)に代わる6レベル特徴です。Replicate Magic Itemで作ったアイテムに対し、次の3つの操作を行えます。
| 操作 | 概要 |
|---|---|
| Charge Magic Item | 呪文スロットを消費し、複製アイテムのチャージを回復する |
| Drain Magic Item | 複製アイテムを解除し、呪文スロットを1つ得る。大休憩につき1回 |
| Transmute Magic Item | 魔法アクションで、複製アイテム1つを知っている別の設計図のアイテムへ入れ替える。大休憩につき1回 |
単純な火力上昇ではなく、その日の冒険に合わせて魔法のアイテムと呪文スロットの配分を変えられるのが特徴です。正確なアクション種別、回数、スロットの上限は書籍本文で確認してください。
5つのサブクラス
| サブクラス | 種別 | 遊び方の焦点 | 作成時間を半減できるもの |
|---|---|---|---|
| アルケミスト(錬金術師) | 改訂 | 試作型エリクサーによる回復、支援、妨害 | ポーション |
| アーマラー | 改訂 | 魔法の鎧をまとって戦う前衛・射撃役 | 非魔法および魔法の鎧 |
| アーティラリスト(砲術士) | 改訂 | 魔導砲と秘術銃による遠隔支援 | 魔法のワンド |
| バトル・スミス(戦場の鍛冶屋) | 改訂 | スチール・ディフェンダー(鋼の護衛)と連携する武器戦闘・支援 | 非魔法および魔法の武器 |
| Cartographer | 新規 | 魔法の地図で味方を結び、移動・索敵・位置取りを支援 | 呪文の巻物 |
全サブクラスに同じ作成時間短縮が付くのではなく、それぞれの専門分野に対応する品だけが対象です。この違いは、キャンペーン中に作りたい物とサブクラス選びを結びつける要素になります。
新サブクラスCartographer
Cartographerは、魔法の地図を使う支援型のアーティフィサーです。大休憩後に一組の連動した地図を作って仲間へ配り、地図を持つ者のイニシアチブや相互の位置把握を助けます。同じ次元界にいる地図の所持者同士は互いの位置が分かり、距離の条件を満たしていれば、通常は視認を必要とする効果でも互いを対象にできます。
さらに、『フェアリー・ファイアー』を使った攻撃支援、短距離の瞬間移動、天才のひらめきと連動した味方の位置調整などを行います。「地形そのものを書き換える」クラスではなく、仲間を地図で結び、危険な場所を把握して戦場を動かすことが中心です。
どのサブクラスを選ぶか
- 回復と消耗品の活用を重視するなら、アルケミスト
- 鎧を武器にして前線へ立つなら、アーマラー
- 砲台と遠隔攻撃で支援するなら、アーティラリスト
- 人造の相棒と武器戦闘を組み合わせるなら、バトル・スミス
- 探索、位置取り、味方同士の連携を重視するなら、Cartographer
参考資料
- D&D Beyond: What’s New with the Artificer in Eberron: Forge of the Artificer
- D&D Beyond: Forge Your Story With 5 Inventive Artificer Subclasses
- D&D Beyond: Preview the New Cartographer Artificer Subclass