不意討ち(Surprise)

定義(SRD 5.2.1準拠): 戦闘開始時に不意を突かれたクリーチャーは不意討ちされ、イニシアチブ・ロールに不利を受ける。

2014年版からの変更: 旧版の不意討ちは「最初のターンに移動も行動もできず、そのターン終了までリアクションも不可」——実質1ラウンド棒立ちの重罰だった。2024年版は「イニシアチブ・ロールに不利を受ける」へ軽量化された(結果として行動順が遅れがちになる、という効果)。

卓での注意: 「不意討ちラウンド」という概念はもう存在しない。待ち伏せ側の旨味が減ったように見えるが、不可視状態でイニシアチブに有利を得られるため、隠密からの開幕はむしろ噛み合う。全滅リスクの高かった「PC側が不意討ちされる」展開がマイルドになったのはDMにも朗報。

戦闘開始時の処理例

ゴブリンが物陰で待ち伏せし、冒険者たちがその存在に気づいていなかったとします。DMが冒険者側は不意を突かれたと判断したら、冒険者はイニシアチブ・ロールに不利を受けます。それでも高い出目を出せば、待ち伏せしたゴブリンより先に行動できます。2014年版のように、必ず最初のターンを失うわけではありません。

隠れているゴブリンが不可視状態の効果でイニシアチブに有利を得る一方、驚いた冒険者が不利を受けることもあります。別の効果で冒険者側にも有利があるなら、有利と不利は相殺され、通常どおりd20を1個振ります。

DMが確認する点

  1. 戦闘開始前に、どちらが相手の存在や敵意に気づいていたかを状況から判断する
  2. 不意を突かれたクリーチャーだけ、イニシアチブ・ロールへ不利を適用する
  3. 全員のイニシアチブを決めたら、通常のターン進行を始める

不意討ちは独立した状態異常ではなく、戦闘開始時のイニシアチブに関する処理です。戦闘が始まった後まで継続するペナルティとして扱いません。

「隠れている」と「不意を突く」は同じではない

攻撃側が隠れ身に成功していても、防御側が別の敵を警戒している、騒音で危険を察知しているなど、状況によっては不意を突かれないことがあります。反対に、攻撃者が透明でなくても、交渉中の突然の裏切りなどで相手が戦闘開始を予想していなければ、DMが不意を突かれたと判断する余地があります。

隠密判定の成否だけで機械的に決めず、戦闘開始時に誰がどの脅威を認識していたかを確認するのが基本です。同じ陣営でも、一部のクリーチャーだけが不意を突かれる場合があります。

関連項目: 不可視状態隠れ身ルール解説