新・隠れ身ルール完全整理——DC15と「不可視状態」の正しい読み方
2024年版D&D(5.5e)で最も議論を呼んだ変更のひとつが隠れ身アクション(Hide)です。「隠れたら不可視状態(Invisible)になる? 透明人間ってこと?」——英語圏でも大論争になったこのルール、原文を読めば運用は明快です。SRD 5.2.1の記述に沿って整理します。
手順は3ステップ
① 隠れる条件を満たす。以下の遮蔽等のいずれかにいて、かつ敵の視線の外にいること。
- 重度の隠蔽(Heavily Obscured——濃霧・完全な暗闇など)
- 3/4遮蔽 または 完全遮蔽
② DC15の【敏捷力】〈隠密〉判定。2014年版のような「相手の〈知覚〉との対抗」ではなく、固定DC15に成功すれば隠れられます。
③ 成功したら判定値をメモ。あなたは不可視状態(Invisible)を得ます。そしてあなたの判定の合計値が、そのまま敵があなたを見つけるための〈知覚〉判定のDCになります。出目20で隠れたなら、発見DCは20です。
「不可視状態」=透明化ではない
ここが最大の誤解ポイント。2024年版の不可視状態は「姿が消える魔法効果」ではなく、「見られていない・捕捉されていない」というゲーム上の状態を表す共通言語です。効果は次の3つ(SRD原文より)。
- 不意討ち: 不可視のままイニシアチブを振るなら、そのロールに有利
- 秘匿: 「対象を視認する必要がある効果」の対象にならない(相手があなたを何らかの方法で見られる場合を除く)
- 攻撃への影響: あなたへの攻撃ロールは不利、あなたの攻撃ロールは有利(相手があなたを見られるなら無効)
つまり「隠れ身成功=不可視化の呪文と同じ状態タグを使い回す」設計で、透明になったわけではありません。物陰から出て敵の視界に堂々と立てば、常識的に見つかります(後述の解除条件参照)。
解除される4条件
不可視状態(隠れ身由来)は、次のいずれかが起きた瞬間に終わります。
- ささやき声より大きな音を出す
- 敵があなたを発見する(〈知覚〉判定であなたの隠れ判定値以上を出す等)
- 攻撃ロールを行う
- 音声要素(V)のある呪文を唱える
逆に言えば、攻撃の瞬間までは有利が乗ります。「隠れる→撃つ→隠れ直す」というローグの黄金ムーブは、手順が明文化されてより回しやすくなりました。
2014年版との違い早見表
| 2014年版(5e) | 2024年版(5.5e) | |
|---|---|---|
| 判定 | 〈隠密〉対〈知覚〉(受動〈知覚〉を含む)の対抗 | 固定DC15、判定値が発見DCになる |
| 成功時の扱い | 「見られていない・聞かれていない」状態(明文タグなし) | 不可視状態という共通タグを付与 |
| 隠れられる条件 | 状況依存(DM裁量が大きい) | 遮蔽・隠蔽の要件を明文化 |
| 解除条件 | 記述が分散 | 4条件に集約 |
卓での運用アドバイス
- DMは「そもそも隠れられる状況か」(①の要件)だけ判断すれば、あとはルールが自動で回ります。
- 「見えているのに不可視状態」という字面の違和感は、タグ名の問題と割り切るのが2024年版の読み方です。挙動そのものは常識的です。
- 出目が低くても15を超えれば隠れられますが、発見DCも低くなる——「隠れの質」が数値で残る、うまいデザインです。