D&D 2024年版では、背景がキャラクターの能力値、起源特技、技能習熟、道具習熟、初期装備をまとめて決める重要な要素になりました。

この記事では、SRD 5.2.1に収録されている4つの背景——侍祭(Acolyte)犯罪者(Criminal)賢者(Sage)兵士(Soldier)——を比較し、クラスやキャラクター像に合った選び方を整理します。

結論:背景は能力値と起源特技を軸に選ぶ

2024年版の背景を選ぶときは、次の順に確認すると判断しやすくなります。

  1. クラスで重視する能力値を上げられるか
  2. 起源特技がキャラクターの役割に合うか
  3. 技能習熟と道具習熟を活用できるか
  4. 背景の物語がキャラクター像に合うか

能力値は、背景が指定する3種類から選びます。1つを2、別の1つを1上げるか、3つすべてを1ずつ上げます。いずれの場合も、能力値は20を超えられません。

SRD収録の4背景は、それぞれ異なる起源特技を与えます。侍祭はクレリック版、賢者はウィザード版の《魔法のたしなみ》を得ます。犯罪者は《警戒》、兵士は《凶暴な戦士》を得ます。

SRD収録4背景の比較

背景選べる能力値起源特技技能習熟道具習熟
侍祭(Acolyte)【知力】【判断力】【魅力】《魔法のたしなみ》(クレリック)〈看破〉、〈宗教〉書道用品
犯罪者(Criminal)【敏捷力】【耐久力】【知力】《警戒》〈手先の早業〉、〈隠密〉盗賊道具
賢者(Sage)【耐久力】【知力】【判断力】《魔法のたしなみ》(ウィザード)〈魔法学〉、〈歴史〉書道用品
兵士(Soldier)【筋力】【敏捷力】【耐久力】《凶暴な戦士》〈運動〉、〈威圧〉ゲーム道具1種類

侍祭(Acolyte)

寺院や宗教組織に仕え、祈り、儀式、教義に通じた人物を表す背景です。

《魔法のたしなみ》では、指定された呪文リストから初級呪文2つと1レベル呪文1つを選びます。侍祭の場合はクレリック呪文リストを使います。

呪文発動能力値は、呪文リストとは別に【知力】【判断力】【魅力】から選べます。そのため、侍祭が必ず【判断力】を使うわけではありません。選んだ1レベル呪文は、大休憩ごとに1回、呪文スロットを消費せずに発動でき、呪文スロットを持っていればそれを使って発動することもできます。

【判断力】や【魅力】を重視するキャラクター、回復や支援の選択肢を増やしたいキャラクターと相性のよい背景です。

犯罪者(Criminal)

裏社会で生き、潜入、窃盗、密輸などに関わってきた人物を表す背景です。

《警戒》を得ると、イニシアチブ・ロールに習熟ボーナスを加えられます。また、戦闘開始時に、自分のイニシアチブを同意した味方1体と交換できます。

先手を取りたいキャラクターや、偵察、潜入、罠や錠前への対処を担当したいキャラクターに向いています。

賢者(Sage)

長年の研究や教育を通じて、学問や魔法の知識を身につけた人物を表す背景です。

《魔法のたしなみ》の呪文は、ウィザード呪文リストから選びます。侍祭と同じく、呪文発動能力値は【知力】【判断力】【魅力】から選択でき、ウィザード呪文を選んだからといって【知力】に固定されるわけではありません。

知識を担うキャラクターや、攻撃、防御、探索に使える秘術呪文を追加したいキャラクターに向いています。

兵士(Soldier)

軍隊、傭兵団、守備隊などで戦闘訓練を受けた人物を表す背景です。

《凶暴な戦士》を得ると、自分のターンに武器で攻撃を命中させたとき、その武器のダメージ・ダイスを2回ロールし、好きな方の結果を使えます。この効果は1ターンに1回使用できます。

武器攻撃を主力とするキャラクターや、前線で【筋力】【敏捷力】【耐久力】を活用するキャラクターに向いています。

クラス別に選ぶときの考え方

背景とクラスの組み合わせに、唯一の正解はありません。ただし、次の3点を確認すると、実際のプレイで扱いやすい組み合わせになります。

1. 主要能力値を上げられるか

まず、クラスの主要能力値と、耐久力などの重要な能力値を上げられる背景を探します。

ただし、物語や起源特技を優先して、定番ではない組み合わせを選ぶこともできます。

2. 起源特技を活用できるか

《魔法のたしなみ》は、呪文を使えないクラスに魔法を加える場合にも、呪文を使えるクラスの選択肢を広げる場合にも役立ちます。呪文発動能力値は【知力】【判断力】【魅力】から選べるため、クレリック呪文リストなら【判断力】、ウィザード呪文リストなら【知力】に固定されるわけではありません。

《警戒》は先手を取りたいキャラクターや、味方との行動順を調整したいキャラクターに向いています。《凶暴な戦士》は武器攻撃を継続的に行うキャラクターほど活用しやすくなります。

3. 技能習熟と道具習熟が重複しないか

SRD収録の背景が与える技能習熟と道具習熟は固定されています。同じ習熟を複数の要素から得ても、通常は習熟ボーナスを二重に加えることはできません。

クラスなどから得る習熟と重なりそうな場合は、キャラクター作成を確定する前に確認しましょう。別の習熟へ置き換えられるかどうかは、使用するルールや卓の方針をGMと確認するのが安全です。

背景を自作する場合

SRD 5.2.1の「Gameplay Toolbox」には、背景を自作する手順が掲載されています。

  1. 能力値を3種類選ぶ
  2. 起源特技を1つ選ぶ
  3. 技能習熟を2つ選ぶ
  4. 道具習熟を1つ選ぶ
  5. 合計50GP以内で初期装備を選ぶ

初期装備には未使用の所持金を含められますが、軍用武器と鎧は選べません。

この手順は、舞台設定やキャラクターの物語に合う背景を作るためのものです。採用の可否や自作できる範囲は卓の方針に関わるため、GMと相談して使いましょう。

2014年版などの旧背景を使う場合

旧版の背景を2024年版のキャラクターに使うための互換ルールは、SRD 5.2.1ではなく、D&D Beyondの2024年版ベーシック・ルールに掲載されています。

旧背景の物語、技能習熟、道具習熟、言語、装備などを生かしながら、2024年版の能力値と起源特技の仕組みに合わせるためのルールです。使用する旧背景やサプリメントについては、GMと事前に確認してください。

まとめ

2024年版の背景は、人物設定だけでなく、能力値と起源特技を決めるキャラクター構築上の重要な選択肢です。

この記事で扱ったのはSRD収録の4背景です。2024年版プレイヤーズ・ハンドブックには全16種の背景が収録されていますが、残り12種の詳細はSRDには収録されていません。

公式資料

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