組みつき・突き飛ばしがセーヴ式に——素手打撃の新3択ルール
2014年版の組みつき(グラップル)は「運動の対抗判定」で、ルールの参照箇所が散らばる面倒な処理でした。2024年版(5.5e)はこれを素手打撃(Unarmed Strike)の3択として一本化し、対抗判定をセーヴ方式に置き換えています。SRD 5.2.1の原文に沿って解説します。
素手打撃は「3つから選ぶ」
素手打撃を行うとき、次のいずれか1つを選びます。
① ダメージ——攻撃ロール(【筋力】修正値+習熟ボーナス)。命中で1+【筋力】修正値の[殴打]ダメージ。
② 組みつき(Grapple)——攻撃ロールなし。対象が【筋力】か【敏捷力】のセーヴ(対象が選ぶ)を行い、失敗するとつかまれた状態に。
③ 突き飛ばし(Shove)——同じくセーヴ方式。失敗した対象を5フィート押すか伏せ状態にするか選択。
②③のセーヴDCは共通で——
DC = 8 + あなたの【筋力】修正値 + 習熟ボーナス
例: レベル5・【筋力】18のバーバリアンなら DC=8+4+3=15。脱出の試みも同じDCです。
条件も明文化されています: 組みつきは「対象が自分より1サイズ大きいまで」「片手が空いている」こと、突き飛ばしは「1サイズ大きいまで」。
つかまれた状態(Grappled)の効果も整理された
組みついたあとどうなるかも、用語集で3点に集約されています(SRD原文より)。
- 移動速度0(増加もできない)
- 組みついている相手以外への攻撃ロールに不利
- 組みついた側は対象を引きずって移動できる(1フィートごとに追加1フィート消費。相手が超小型か2サイズ以上小さければペナルティなし)
「組みつかれた側は組みついた本人を殴るしかなくなる」誘導が効いていて、前衛が敵のヘイトを固定する動きがルール的に成立するようになりました。
2014年版との比較
| 2014年版 | 2024年版 | |
|---|---|---|
| 判定 | 〈運動〉対〈運動または軽業〉の対抗判定 | 対象のセーヴ(DC=8+【筋力】修正値+習熟ボーナス) |
| 手番の消費 | 攻撃1回ぶんの代替 | 素手打撃の選択肢(追加攻撃と併用可) |
| 突き飛ばしの効果 | 押す、または伏せ状態にする | 同じ(5フィート押す、または伏せ状態にする) |
| 脱出 | 対抗判定 | 同DCへの判定 |
対抗判定の廃止でダイスを振る回数が半減し、処理が一手で終わるのが最大の改善点。DM側もモンスターの組みつきを同じ書式で運用できます。
実戦での使いどころ
- 追加攻撃との組み合わせ: 攻撃2回のうち1回を組みつき・突き飛ばしに差し替える動きが基本形。「1発殴って、伏せさせて、味方の近接攻撃を有利に」が強力です。
- 武器熟達との連携: 転倒(Topple)・押しやり(Push)特性と役割が重なるので、武器持ちはそちら、モンクや組み技ビルドは素手打撃、と住み分けます。
- 敏捷型への注意: 対象はセーヴに【筋力】か【敏捷力】を自分で選べるため、軽業自慢には通りにくいまま。ここは2014年版の感覚と同じです。